2.18.2019

Labyrinth Collection No6~もっとも有名なアナバス~

今回はもっとも有名なアナバスであろうベタ・スプレンデンスをご紹介したい。

本種について

今回ご紹介するのはスズキ目 キノボリウオ亜目 オスフロネムス科 ゴクラクギョ亜科 ベタ属のsplemdems種である。
アクアリストの皆様であれば本種をもととした改良品種をショップなどで目にしたことがあるだろう。
おそらくもっとも有名なアナバスであろう。

 そんな「ベタ」の原種がこのBetta splendensである。(ベタの改良には同属他種も用いられているので厳密には本種のみがルーツというわけではないのだが…)

「ベタ」のド派手なイメージとは裏腹に原種である本種は地味な色彩をしている。
しかし、各鰭のカラーリングやボディのイリデなどはやはり美しい。
鰓蓋に入る赤いラインがスプレンデンスグループの他種との最も簡単な判別点であろう(他にもこのラインが入る種類もいるのでこれだけで完全に判別することはできないが)

本種の生息環境

私が本種を採集したのはバンコク東部の湿地帯である。(ロカリティコード:THA-002 )
お世辞にも綺麗な環境とはいえないが、水深15㎝ほどのこの湿地帯でクローキンググラミーやスネークスキングラミー、スリースポットグラミー、ボララス・ウロフタルモイデスなどと共に生息していた。
典型的な「いるところにはいる」魚であり、私が本種の生息地を発見するまで4日の時間を費やした。


採集直後の本種。
赤味がかった体色が印象的である。
クローキンググラミー100匹に対して本種1匹程の生息密度であり、個体数は少ない印象を受けた。

本種はタイ国内にひろく分布し、バリエーションも豊富なので今後違うタイプも採集できればと思っている。

2.17.2019

Labyrinth Collection No5~マハチャイエンシス~

月刊アクアライフさんでレポートを掲載していただいたので、これでタイでのアナバス採集の記録を気兼ねなくUPできます。笑

今回はマハチャイエンシス。

本種について



 今回紹介させていただくのはスズキ目 キノボリウオ亜目 オスフロネムス科 ゴクラクギョ亜科 ベタ属のmahachaiensis種である。

本種はサムットサコーンを中心とする「マハチャイ」と呼ばれる地域に分布している。
古くから存在は知られていたようであるが、記載自体は2012年と比較的新しい種である。
あまり知られていないがバンコク県内でも生息地が存在している。

生息環境

私が採集した本種はニッパヤシの生い茂る薄暗い湿地帯に生息していた。
私が本種を採集した湿地帯(マハチャイ地方中部)
ニッパヤシが生い茂り非常に薄暗く、歩きにくい。

底質は腐葉土様であり、水は美しいブラックウオーターであった。

同地で確認した本種の泡巣。
ニッパヤシの中心部に作られており、下には雄親が確認できた。

今回は現地の方に案内していただいての採集だったので、近いうちに自身で採集したいと思っている。
できればバンコク産の個体を採集したいものであるが…。

2.13.2019

Other fishes collection No.5~香港のリザードフィッシュ~

今回は香港のリザードフィッシュをご紹介したい。

本種について

本種はコイ目タニノボリ科タニノボリ亜科Liniparhomaloptera属のdisparis種であると思われる。

1枚目が♂二枚目が♀であると思われる。
メスはオスに比べて二回りほど大きくなるので成熟した個体の雌雄判別は容易であろう。

赤味がかった各鰭が美しいリザードフィッシュであるが、飼育下でこの体色を再現するのはなかなか難しい。

本種の生息環境

本種は前回までに紹介した、香港カワムツ(Candidia spilurs)やハナマガリ(Acrossocheilus beijiangensis)などと同所的に生息していた。
このような流れのある場所の石の下や白泡の下などに多かったように思う。

2.01.2019

Other fishes collection No.4~黄金のハナマガリ~

段々と書くのが楽しくなってきたOther fishes collectionですが、今回は香港に生息する黄金色に輝くハナマガリをご紹介いたします。

本種について


本種はコイ目コイ科ハナマガリ(Acrossocheilus)属のA.beijiangensis種であると思われる。
食性は草食よりの雑食のようである。
近縁他種とはバンドの数や背鰭の形態で区別できるが、特に背鰭の不分岐条にのこぎり状の突起が見られることが大きな特徴らしい。

生息環境

私が本種を観察したのは香港にMacropodus hongkongensisを採集しに行った時のことである。
生息河川は比較的流れが強く、同所的にタニノボリの仲間なども確認できた。


本種の背鰭のアップ。外側に行くにつれて赤くなる黄色の背鰭と黒いスポットのコントラストが非常に美しい。
この写真からでも不分岐条にのこぎり状の突起が存在することが確認できる。