4.05.2019

Labyrinth Collection No7~琉球闘魚~

今回は日本に生息するアナバス、タイワンキンギョとその採集の様子をご紹介したい。

本種について

本種は学名をMacropodus opercularis、和名をタイワンキンギョという。
アクアショップなどでは「パラダイスフィッシュ」の名で販売されているのでそちらの名前の方がなじみ深いという方も多いだろう。

本種は中国、ベトナム、ラオス、日本に生息する。
日本では沖縄県に生息が確認されている。

沖縄県の個体群は在来とする説と外来とする説があるが、結論はまだ出ていないようである。
一応、大陸の物と比較すると繁殖形態に若干の差異があったり、遺伝的に同様の特徴を持つ個体群が見つかっていない(当然サンプル未収集の個体群が由来である可能性もある)などの点が在来である可能性を示しているらしい。

在来かどうかはともかく本種は昔から沖縄でトゥーイュなどと呼ばれ親しまれてきた。
しかし、そんな本種も近年開発などで生息地が減っているらしく、地元のご老人が「昔はこの辺りにも沢山いたんだけどねぇ…。」と話していた。

今回はそんなタイワンキンギョを採集した時の様子をお伝えしたい。

本種の生息環境と採集

私は本種を水田などの止水域に生息しているものだと思い込んでいたが、本種も同属のMacropodus hongkongensisと同様に流水域において確認された。
私が本種を確認したのは河川中流域の抽水植物が生い茂った湿地様の環境である。





採集方法は他のアナバスと同じ要領で植物ごとザルで掬いあげるというものであった。

東南アジアのブリード個体に比べるとシャープな体型をしており、尾鰭の伸長も弱いが、野生的で非常に美しい魚であった。

願わくばこれからもこの湿地帯で人知れず静かに生活してもらいたいものである。